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2022年6月17日

ファッションECを勝利に導く5つの戦略

Eコマース分野のひとつの大きなセグメントとして、ファッション産業の売上高は2023年に8720億ドル となりました。年間7.18%の成長率で、2025年には1兆ドルに届くと見られています(Statistaによる)。 2020年から2021年に限っては、買い物カゴあたり平均で100ドルでした。統計は、消費者需要の急激な上昇で、ファッションEコマースが華々しい成長をしていることを表しています。デジタルに強く、俊敏で、資金力のある新興ファッションブランドの台頭は、従来のマーケット・リーダーに対して激しい競争をもたらしています。この活況を呈するニュー”e-コノミー”において、激しい競争に打ち勝つため、ブランドは既存のみならず将来の課題に適応していく必要があります。つまり、デジタルファーストの戦略を採用することで、課題をチャンスに変えることができるのです。

拡張現実(AR)で未来を解き放つ

簡潔に言えばAR、つまり拡張現実(Augmented Reality)は、現実の環境に仮想のアイテムを重ね合わせ、実物そっくりに見せるインタラクティブなデジタル機能です。ARは、単なる技術的なギミックではなく、オンラインショップのための有用なツールとなることが証明されています。

1億人以上の消費者が、AR技術の助けを借りて買い物をしたという報告がされています(Snap Inc.調べ)。パンデミックによって買い物客が自宅に閉じこもる中、バーチャルなミラーや更衣室でサンプルを試すことは、ニューノーマルのショッピングにおいて重要な機能になっています。

ファッションEコマース向けのARアプリケーションは携帯式で、購入者がインタラクティブに商品を見たり体験したりすることを可能にします。様々な生地やサイズ、色を自由に試すことができるため、顧客はより安心して商品を購入することができるようになります。その結果、販売者側は顧客満足度を高め、返品率を下げることができます。

パーソナライズされた体験で、スクリーンタイムの質を高める

Eコマースでは、よりパーソナライズされた体験が求められるようになりました。多くの新しい選択肢がある中で、買い物客は、役に立つコンテンツや連携したサービスなど、最も関連性の高いものを提供するブランドを支持し続けます。このようなシームレスな体験は、利便性に直結し、顧客はショッピング体験全体が簡単で手間がかからないものだと感じることができるようになるのです。

Eコマースには、実店舗に比べ多くの利点があります。その大部分は、オンラインショッピングが、カスタマイズ可能で、検索可能で、オーダーメイドのショッピング体験を提供できることです。

パーソナライゼーションとは、ネットの閲覧から出荷の段階まで、顧客一人ひとりの好みを優先的にすることです。顧客の好みにリアルタイムで柔軟に対応するためには、合理的で可視性の高いサプライチェーン、最新のテクノロジーのインテグレーション、需要に応じて迅速に調整・変更できる機動的なマネジメントが必要となるため、常に綿密な計画を立てることが求められます。

どこからでもグローバルに

あなたは消費者がどの国にいても商品を買えるようにしたいと考えているでしょう。国際的な買い物客は、一回の注文でより多く購入し、国内の買い物客よりも返品が少ないとして知られています。しかし、多くの購入者にとって、国際輸送はしばしば遅延や予期せぬ課金を連想させます。このため、海外発送は一般的に不便さといった、好ましくないイメージをもたらす傾向があります。

国際輸送を行うには、事業者は自社または購入者の負担となる関税や税金に対処する必要があります。インコタームズ、運送規約、許認可、最適な梱包などを熟知し、幅広く計画・実行できる国際輸送パートナーが、顧客満足度を高めるために非常に重要になってきます。

よりよい世界を育む

80%の消費者は、ブランドが環境に配慮することは重要であると感じているとの調査結果があります(Business News Dailyによる)。英国でのリサーチでは、70%のオンラインショッパーは、サステナブルな配送、および返品プロセスをもつ事業者から購入しようと考えています(eMarketer調べ)。サステナビリティはもはやニッチな分野のものではなく、主流となりつつあることは明らかです。

サステナビリティとファッションは一見相容れないように見えます。なぜならファッションECブランドの成功は、加速するトレンドサイクルに対応するための市場投入までのスピードを維持することに依存するため、材料の消費と廃棄物の発生が増加につながるからです。

ファッションECにおける真のサステナビリティを推進することは、供給源とサプライチェーンマネジメントの綿密な関連を意味します。これには、倫理的に問題のない原材料の調達を可能にするだけでなく、費用対効果を高めるための供給能力を提供することも含まれます。

流行を外さない

従来のビジネスをEコマースに移行するにしても、デジタル領域でゼロから立ち上げるにしても、常に激しい市場競争があり、その競争は時代とともに激化していくでしょう。しかし、上記のようなことが適切に行われれば、現実のビジネスがどのように変化しても、売上を伸ばし続けることができるブランド力、そして優れたオンラインショッピング体験を構築することができます。

価格とスピードが何より重視されるEコマースの世界では、無駄なコストを抑え、迅速に展開し、時間や配送に関わる失敗を避けるために、効率的で合理的なデジタル物流戦略が不可欠であり、これらはすべて顧客ロイヤリティを高めることになります。

世界のEコマースおよびファッション産業におけるロジスティクスのエキスパートとして、DHLは、オンラインファッション・リテールのすべてのステージで、先進的で優れたソリューションを提供し、変化の激しい時代と進化し続ける時代精神に対応できるよう、お客様のビジネスの成功のためのお手伝いをいたします。

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